乳腺外科（保険診療）
乳腺外科では、乳房のしこりや痛み、違和感、乳頭分泌といった症状のある方、乳がん検診や会社の人間ドックで異常を指摘された方などを診療します。
診察方法は問診に加え、視触診、マンモグラフィ検査、エコー検査などを行い、必要に応じて細胞診や組織針生検、超音波ガイド下吸引式組織生検を行います。
マンモグラフィで乳がんを疑う石灰化を認めるもののエコーでしこりがはっきりしない場合は、３Dガイド下吸引式組織生検を行うことも可能です。
このような症状は
ございませんか？
下記のような症状がある場合は、乳腺外科を受診しましょう。
- 乳房にしこりがある
- 乳首から血や分泌物が出る
- 乳房の一部がへこんでいる
- 徐々に片方の乳首が陥凹してきている
- 胸の張り
- 乳房が痛い
- 脇の下が痛い
乳腺外科で行う検査
マンモグラフィ検査、乳房超音波検査は女性技師が担当いたします。
マンモグラフィ検査、乳房超音波検査を行った後、医師による検査結果の説明を行います。その際に必要に応じて針生検や細胞診などを提案させていただきます。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィは乳房を圧迫板で薄く伸ばした状態でX線撮影を行う検査です。しこりや乳腺の構築の乱れ、乳がんの初期症状である微細な石灰化を発見することができます。
（現在のところ、「乳がんの死亡率を下げる」と証明されている検査はマンモグラフィだけです。）
マンモグラフィは個人差がありますが、痛みを感じることがあります。
乳房の柔らかい月経後１週間〜１０日の間に検査を受けることをおすすめします。
当院ではGEヘルスケア・ジャパンの Senographe Pristina™を導入しております。薄く、角に丸みを持たせた乳房支持台により、圧迫の痛みを軽減します。さらにソフトハンドレストにより、優しく装置に力を添えて検査が行えます。
通常のマンモグラフィに加え、連続撮影により3次元的に乳房を観察できる３Dマンモグラフィ（トモシンセシス）も撮影可能です。
乳房超音波検査
ARIETTA750SE
ARIETTA65LEゼリーを塗った乳房にプローブ（探触子）を当て、反射波を画像化して乳房内を調べる検査です。放射線を使用しませんので、被爆の心配はありません。触診で見つからないような小さなしこりを発見することができます。
当院で導入している富士フイルムヘルスケア株式会社のARIETTA750SEは、腫瘍の硬さ（乳がんは一般的に硬い）の測定、エコーの弱点である石灰化も鮮明に描出が可能であり、より精密な検査が可能です。
乳がん術後のフォローアップ
当院では、乳がん手術後のフォローアップを行っています。
乳房全切除術を行っても、局所再発する可能性はありますし、乳房温存術によって乳腺が残存している場合には新たに乳がんが生じることもありますので、定期検診が必要です。
また、インプラントで乳房再建をされた方は、院長がインプラントの破損や、インプラント周囲の液体のたまりや腫瘤がないか、くまなく検索いたします。
乳房インプラントの合併症として、BIA-ALCL（乳房インプラント関連未分化体細胞型リンパ腫）があります。これはインプラント周囲に形成される被膜組織から発生する増殖性の腫瘍です。非常に緩徐に進行します（平均9年）。適切な定期検診によって確認された場合においては、外科的治療などにより十分治癒が見込めますが、発見が遅れると抗がん剤や放射線治療が必要となる場合や、非常にまれですが死亡例も報告されています。
インプラントを用いて乳房再建をされた方だけでなく、インプラントを用いて豊胸された方もBIA-ALCLが発生する可能性がありますので、定期的な検診が必要です。
乳がん手術後の定期検診
視触診、血液検査、マンモグラフィ検査、乳房超音波検査を定期的に行います。
術後5年間は3～6ヵ月に1回、それ以降は半年～1年に1回の定期検診を、トータル10年間継続することが推奨されています。
乳がんは他のがんと比べて進行が遅いため、術後に再発する可能性や、反対側の乳房に新たに乳がんが発生することもあるため、長期的に検診を受けるようにしましょう。
乳がん手術後のセルフチェック
ご家庭でできるセルフチェックも大切なフォローアップの１つです。
片側の乳房に乳がんが生じた場合、反対側の乳房にも乳がんができやすいため、両乳房を毎月1回、セルフチェックしていきましょう。
自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識して生活することを「ブレスト・アウェアネス」といい、乳がんの早期発見・診断・治療につながる非常に重要な生活習慣として、日本乳癌学会でも推奨しています。
