陥没乳頭の症状
乳頭が乳輪から突出せずにへこんでしまっている状態をいいます。
乳頭の陥没には、先天的なものと、後天的なものがあります。
以下のような症状・問題が生じます。
- 陥没部位に細菌が溜まり乳腺炎(乳輪下膿瘍)になり、繰り返すことがある
- 赤ちゃんへの授乳が難しい
- 外見上のコンプレックス
仮性陥没乳頭
乳頭を指で引っ張ったり、刺激することで突出するものの、またすぐに引っ込んでしまうタイプをいいます。
真性陥没乳頭
指で引っ張ったり刺激をしても、突出させることができないタイプをいいます。
陥没乳頭になる原因
後天的な陥没乳頭は、乳管まわり炎症や、乳房の肥大、乳がん、乳房手術の合併症として乳頭が引き込まれて生じます。
一方で先天的な陥没乳頭の原因は不明ですが、乳頭自体の組織が未発達のものや乳管が先天的に短いケースがあります。
陥没乳頭のリスク
乳腺炎になりやすい
陥没した部位に細菌が溜まり、乳腺炎になりやすい状態が続きます。何度も乳腺炎を繰り返すケースも見られます。
授乳に影響が出ることがある
陥没のために授乳ができない・難しいことがあります。
見た目がコンプレックスになる
家族や友人と温泉に行くとき、恋人ができたときなど、シチュエーションは限られますが、陥没した乳頭の見た目がコンプレックスになることがあります。
陥没乳頭の治療・手術方法
切らない方法
持続的な乳頭の吸引、器具による引っ張り出しなどによって改善する場合があります。
ただ、効果が現れるまでの時間は3ヵ月~2年といわれています。
手術方法
乳管周囲のひきつれを解除し、乳首を持ち上げて固定する方法、乳頭に切開を加えて引き出す方法などがあります。手術の傷痕はほとんど目立ちません。
ただし、必ず乳頭が完全に突出するとは限りません。また、再発のリスクがあり、必要に応じて再度手術が必要になります。また、手術によって形は改善されても、授乳の際にミルクの出が悪いことがあります。
治療は日帰り手術可能です。片側30分程度で終了します。
陥没乳頭の治療費用(保険適用)
いずれの治療法も、以下に該当する場合には健康保険が適用されます。
- 授乳の障害になっている
- 一般に40歳以下で、今後出産・授乳の可能性がある
- 乳腺炎を起こす可能性がある
費用(両側) | 44,100円 |
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※両側の陥没乳頭を手術した場合です。片側の場合、おおよそ半額とお考えください。
※3割負担の方の場合の自己負担額です。
※その他、術前検査代、処方代が別途発生します。
よくある質問
陥没乳頭の美容外科の手術との違いはどのような違いですか?
授乳困難の場合:18歳~40歳で保険適応となります。
当院では保険と自費の術式の違いはありません。
手術後すぐに運動できますか?
創傷治癒に3か月~6か月はかかるので激しい運動は控えてください。
手術後の来院のタイミングはいつぐらいがよいでしょうか?
可能であれば術後数日後にご来院ください。
手術後10日目に抜糸を行います。
その後は1か月後、2か月後、3か月後で終了となります。
術後にご来院頂けない場合は、修正術はお受けできない可能性がございます。
手術後のケアは必要ありますか?
抜糸までは直接外力が加わらないように、スポンジの堤防のようなものを張ります。(術後10日目まで)
それ以降は1日2時間ぐらい吸引するタイプの乳頭補正器(1日2時間程度)を6か月装着して頂きます。
再陥没した場合の修正術が可能ですか?
術後3か月以降であれば再手術が可能です。
保険適応となります。
他院での修正手術は可能でしょうか?
可能です。
ただし美容形成で手術を行われた方は自費診療になります。